異邦人と鳥

とある国で、彷徨いながらもていねいに生きたいと願う異邦人とイン子たちのくらしと回想録

チャーリーがいなくなってから 〜 泣く理由 〜

チャーリーがいなくなってから、14日目。

もう2週間も喋っていなければ姿も見ていなくて

おいしい〜ってご飯を食べるところも見ていない

 

家に帰ってきた時に呼び鳴き攻撃をすることもなければ

カゴから出せ出せ攻撃もなく

メイク中にタオルを巻いた頭に止まることもなく

ぴこちゃーん、キャップーと追いかける姿も見ていない

 

いないのだからものすごく当たり前なのだけれど

 

毎日泣き続けていたら

まつげが半分の長さになった

 

涙で荒れまくった肌が治ってきたので

日にちの経過を思い出すこともある

 

泣かないで過ごすことも多分可能なのだろうと思う

でも、多分、泣いているときだけ

チャーリーの存在がリアルになるというか

それが一つのコミュニケーション方法になっているのかもしれない

 

人間だったら、殺人をしたら刑務所に入って罪を償うし

みんなからも責められる

でもわたしはチャーリーの命を奪うようなことをしたのに

誰もわたしを責めない

 

命を落とすことに

もし命を落としてなくても怖い思いをさせることに

つながる行為をしたのに

 

ペットロスのサイトを見ていると

自分責めはいますぐやめるように

あなたは過ちを犯す人間なのだから

とあったが

今はまだ、過ちを犯す人間ということで

まとめることはできない

 

かといって確かに、このままずっと悲しんでいて

自分を責めていては病気になってしまいそうなので

それはそれでまたじぶんの弱さというか

自己保存の気持ちが働いて

それも良くないなと思う

セキセイちゃんたちもいる

 

たまに、ベランダで

チャーリーが何食わぬ顔をして

戻ってくるんじゃないかと思うようになってきた

ベランダに出て、ふなふなふなっしーの節を口笛で吹く

でも何も起こらない

 

今週末は最高でマイナス28度にまで落ち込んだ

こんなに気温が下がると顔が寒いとかでなくて痛い

チャーリーがいなくなった日は

気温は零下には達しておらず

早く見つけることができていれば

チャーリーは生きて帰っていた

 

どうしてあの時もっと探さなかったのだろう

夜は越せるから対策をきっちり練ろうと思ったのだけれど

今考えれば、もっと探して大きな声で口笛を吹いていれば

見つかったかもしれない

 

あの時どうして、ジョージのいうことを聞いて

うちに戻ってしまったのだろう

ふと、いや、探した方がいいって思ったと思う

ここでじぶんの思うとおりにしなければ後悔すると思ったから

そうしようと思って最初は探しまわっていた

でも、そのあと、少し家に帰った方がいいと言われて

帰ってジョージとお茶を飲んだ

 

いや、やっぱりあれはあれでよかったのだろう

あの後にプロトコルをてに入れたり

チラシを作ったりしてたじゃないか

 

いや、でも、それよりも何よりも

チャーリーを見つけてあげられなかったこと

あんなにもあっけなくいなくなってしまうようなことをしてしまったこと

その意味がわからない

 

本当に、自分を責めても、後悔をしても

チャーリーは帰ってこない

万が一誰かが保護をしてくれていて

連絡をくれて帰ってきた時には

日常の雑多なことが残っていないような状態にしたいと思って

部屋を片付けたりモチベーションが上がることもあったけど

それは長くは続かなくてぼーっとしてしまったり

泣いてしまったりしてしまう

 

ここで、誰かいい人に拾われているという想像は

ものすごく難しい

外は、冬だ

室内飼いの鳥さんにはあまりにも過酷な状況

 

実際わたしは鳥さんのお世話は

完璧ではないにしても適当にやっている方ではなかったと思う

でも、その完璧でないにしても

の部分でこんな惨劇を招いてしまった

 

誰かに聞いてもらって罪悪感をどうにかしたいという思いもない

辛いのは、チャーリーが味わったであろう苦しみや怖さを思うことや

チャーリーとはもう会えないのだということだ

 

この世は楽しいことばかりではないから

もしかしたらわたしの元からいなくなった方が良かったのかもしれない

それはそれでも仕方がない

 

でも、チャーリーが味わったであろう怖さや苦しさを思うと

とりあえず泣く以外に方法がないのだ

特に外の寒さに触れた時にはそれを想像せざるを得ない

 

よく犯罪者がお坊さんになったりすることがあるが

今の私にはその気持ちがよく分かる

わたしの場合は、ヨガでそうしようかなと思ったりもする

 

冷静に考えれば、こうやって悲しみ続けることで

二次的に与えるセキセイちゃんへの影響は良くないだろう

今朝からやっとみんな少しずつ普通に戻ってきたというのに

 

キャプテンもデイジーもハイタッチをきちんと覚えていたし

ソファーにいるときに飛んでくるようにもなった

外も少し飛び回った

まだ回数は少ないけれど

 

マエストロはまだ情緒が落ち着かない

昨晩もパニックを起こした

チャーリーがいなくなってからこれで2回めだ

こんなに頻繁にパニックを起こすことは通常はもちろんない

 

マエストロのろう膜の色はまだよくない

精巣腫瘍の方に何かが変化があったのかもしれないし

チャーリーが居なくなった異変を感じ取ってのことかもしれないし

最近掃除ができていないとまり木にもしかしたら虫が湧いていたりするのかもしれない

 

理由はこれだとははっきりしないので

とりあえず思いつくことは実行して

マエストロが落ち着けるようにしたい